農耕民族としての長い歴史

2011.09.30

「土地と労働と資本」と一括りに呼ばれる生産要素が商品化されて、初めて本当の意味での市場経済が成り立つことも事実です。生産物(サービス)が商品として自由に売買されるだけでは、効率的な資源配分は実現しません。世の中に必要とされる財・サービスに高い値がつき、その生産により多くの生産要素、「土地と労働と資本」が動員される仕組みが必要です。生産要素が商品として、市場で自由に売買されることによって、それが実現します。しかし同時に、生産要素の商品化には、セーフティーネットや様々な保護・規制も必要なのです。日本では、この生産要素の商品化と保護・規制のバランスが、どうもうまく取れていないように思われます。不動産が生活の基盤で、土地がコミュニティーの一部を構成しているのは、いつの世でも、どこの国でも同じです。従って土地を商品として取り扱うことに関しては、用途制限をはじめとする様々な保護・規制が存在します。土地の所有(私有)には、公共的な義務が伴うのです。しかしながら日本社会、日本人の間では、「自分」の土地に対する思い入れか、特に強いのではないでしょうか。その背景には、農耕民族としての長い歴史もあるでしょう。

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