経済的耐用年数は市場性の影響を受け、これを何年とするかが問題となるが、その考え方の一つとして建物の平均滅失年数から耐用年数を算定する手法がある。統計調査による建物群の残存率が五〇パーセントになる時点を「建物の寿命」と定義し、それをもって経済的耐用年数とするのである。ちなみに鉄筋コンクリート造集合住宅の場合、建物躯体三五〜四〇年とされる。ただし、この年数の根拠となる「建物の耐用年数に関する実証的調査研究」は、建物の滅失を対象にして昭和六二〜平成元(一九八七〜八九)年のバブル経済期に実施されており、十分に住み続けられる建物でありながら、経済効率上の観点から除却された事例が主体となっている。
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時代の価値観が変われば、平均滅失年数にも変化が生じる。たとえば、ロンドンの有名なデパートであるハロッズの近くにある一般にフラットと呼ばれる集合住宅は一九世紀に建てられたものであるが、なかなか空き家は出ないし、出てもその金額はきわめて高額である。つまるところ、経済的耐用年数は社会情勢の影響を受ける可変的な考え方なのである。